今回はゲーミングパソコン講座3回目ということで、ゲーミングパソコン選びで頻出するキーワードについて解説します。「CPU」「GPU」「OS」「fps」という言葉は、ゲーミングパソコン選びで重要なキーワードであるため、基本的な意味を理解してゲーミングパソコン選びをしてください。
この記事を読むメリット
- ゲーミングパソコン選びで頻出するキーワードについて基本的な内容を知ることができる。
- 一般的なパソコンの教養が身に付く。
CPUとは
CPUとはパソコンの頭脳にあたるパーツで、性能が高いほど演算速度が速くなるため、動作スピードが速くなります。マウスやキーボード、ハードディスクなどのパソコンパーツやデバイスからデータを受け取り、演算処理をおこない、ディスプレイやそれぞれのパーツ間で通信を行います。
CPUはIntel(インテル)とAMD(エーエムディ)の2社が主に開発をしており、IntelのCPUが搭載されているパソコンが多いです。
CPUには制御する役割と演算を行う役割で分けられています。
制御する部分で処理すべき内容を記憶し、演算する部分で演算をおこない、制御する部分で各パーツなどに命令を出します。演算は0と1で表されたデータで高速で処理をします。
CPUには物理コアと論理コアがあり、物理コアはCPUの実際に存在する脳にあたる部分で、論理コアパソコン全体のパーツから認識される脳です。例えば、4コア8スレッドのCPUであれば、物理コアが4つ、論理コアが8個あるCPUということです。
実際の脳は4個しか存在しませんが、パソコン全体では8個の脳があると認識します。つまり、空想の脳を存在させ、処理速度を高められます。
しかし、8コア8スレッドと4コア8スレッドを比較すると、物理コアの多い8コア8スレッドの方が若干処理速度が早いです。
CPUの処理速度を表す数値がクロック数(単位:GHz)と言われるもので、数値が高ければ高いほど、処理速度が速いということです。例えば、2GHzのCPUであれば、1秒間に2億回の演算処理動作をするということです。クロック数が大きければ大きいほど発熱するため、高スペックのCPUに高負荷を与える場合は、冷却性能を高めておく必要があります。
また、CPUにはキャッシュメモリが内蔵されており、演算処理や制御をおこなうものを一時的に記憶しながら、処理をおこないます。パソコンパーツで別途メモリを搭載しますが、高速処理をする際に時間がかかるため、CPUにメモリを内蔵して処理を高速化しています。
CPUにはグラフィック機能を搭載しているものもあり、グラフィックボードなしでもディスプレイに映像出力できます。この後解説するGPUほどの性能はありませんが、一般的なパソコンやノートパソコンはCPUの内蔵グラフィック機能で映像出力しています。
多くの役割があるため、難しいと思う方は、以下の内容だけでもゲーミングパソコン選びで活用してください。
- CPUはPCの頭脳にあたるパーツ
- コア数が脳の個数、スレッドがパソコン全体で脳と認識する論理的な脳の個数
- CPUにはグラフィック機能を搭載しているものもあり、グラボがなくても映像出力可能
CPU速度の目安
CPUはコアやスレッド、メモリの数値によって処理速度が異なります。処理速度を表す項目をクロック数(単位:GHz)といい、数値が大きければ大きいほど、1秒間に処理する量が多いということです。
ゲームプレイの場合、グラフィックボードや各パーツへのデータ伝達量や演算量が多いため、一般的なパソコンよりも高スペックである必要があります。また、CPUだけでなく、メモリやグラフィックボードなどのスペックも重要であるため、CPUだけスペックが高くても意味がありません。
ゲーミングパソコンとして一般的に必要とされているクロック数を紹介します。
CPUの性能項目 | 目安となるスペック |
---|---|
コア/スレッド | 6コア/12スレッド以上 |
最大クロック数 | 4.4GHz以上 |
キャッシュメモリ | 18MB以上 |
おすすめのCPUシリーズ(メーカー別) | Intel:Core i5-12400 AMD:Ryzen 5 5600X |
さらに詳しいCPUについての解説、おすすめのCPUについては以下の記事を参考にしてください。
CPUメーカー比較Intel CoreiとAMD Ryzen
CPUのメーカーは主にIntel(Intel)とAMD(エーエムディ)ですが、性能差でいえばどちらも同じようなラインナップを揃えています。少しだけ違う部分があるので紹介します。
Intel(インテル)CPU|Core iシリーズの特長
インテルのCPUは多くのパソコンなどで使用されており、AMDよりもシェア数が大きい。特に「Core iシリーズ」が人気で、多くのゲーミングパソコンに搭載されています。価格が安くハイパフォーマンスであるため、初めてゲーミングパソコンを購入するなら、Intelがおすすめです。
最近では13世代CPUが発売され、人気機種となっています。
AMD(エーエムディ)CPU|Ryzenシリーズの特長
AMDのCPUは、昨今急速にシェアを広げており、日本でも将棋の藤井聡太さんが使っているパソコンのCPUとして話題になりました。AMDは「Ryzenシリーズ」が人気で、省電力であることが特長です。高性能であれば、Intelの方がコストパフォーマンスが若干高いです。
AMDの「Ryzen」シリーズは、シェアをここ数年で急速に拡大したCPUだ。インテルに先んじて半導体サイズを7nmとしたことで、上位モデルの処理性能がインテルよりもわずかに高い。また、消費電力の面でも「Ryzen」シリーズが上回っている。しかし、AMD製のマザーボードやグラフィックボードを組み合わせることにより、パフォーマンスを向上させて総合的なコストパフォーマンスはIntelよりも高くなります。
最近では7000シリーズを発売し、話題の機種となっています。
GPUとは
GPUとは映像処理の演算をおこなうチップです。CPUはパソコンの制御に関する演算ですが、GPUは映像処理のための演算をおこないます。GPUはグラフィックボードに搭載されていたり、CPUやマザーボードにも搭載されていることがあります。
GPUの主な開発メーカーは「NVIDIA(エヌヴィディア)」「AMD」の2社で、CPUと同様に若干の違いがあります。
GPUを開発しているメーカーは2社ですが、そのGPUを使ったグラフィックボードを開発しているグラフィックボードメーカーは多く存在します。人気のグラフィックボードメーカーは「ASUS」「MSI」「ELSA」「ZOTAC」「玄人志向」などが人気です。グラフィックボードメーカーは、提供されたGPUの性能をより高める工夫などを施してグラフィックボードを開発していますが、最初は搭載しているGPUで選んで問題ありません。
グラフィックボードのモデルによってはRGB搭載モデルもあるので、グラフィックボードを光らせることができるモデルもあります。
- GPUは映像処理の演算を得意とするチップ。
- GPUを搭載した映像処理専用のパソコンパーツがグラフィックボード。
- GPUを開発しているメーカーとグラフィックボードを開発しているメーカーがある。
- グラフィックボードによって、GPUの性能を高める工夫を施しているが、GPUの性能で選ぶと良い。
GPUコア数の違い
GPUもCPUと同様にコアを内蔵しており、映像処理を得意とする脳が内蔵しているイメージです。画像処理を並列処理することにより、高速に演算を行います。
CPUでさまざまな複雑な演算処理をおこない、GPUで映像処理の分野だけ担当して演算をおこないます。そのため、CPUの負担が少なくなり、スムーズにパソコン全体を制御できます。
GPUはCPUよりも多くのコアを内蔵しており、同時にコアで演算をおこなうため、発熱しやすいという特長もあります。
GPUメーカーの違いNVIDIAとAMD
GPUの主なメーカーはNVIDIAとAMDの2社で、どちらがいいのかは組み合わせるパソコンパーツや好みになります。多くのゲーミングパソコンに搭載されているのはNVIDIAです。しかし、エントリーモデルやミドルモデルにおいてはAMDの方がコストパフォーマンスが良いです。
NVIDIA GeForceとAMD Radeonのグラフィックボードについて下記記事で紹介しているので、参考にしてください。
NVIDIA GeForceの特長
NVIDIAのGPUであるGeForceシリーズはハイスペックモデルがとても優秀でゲームなどの速い動作に関する映像処理がとても優れています。レイトレーシングという光の表現が優れています。
現状ではゲーム用で考えるのであれば、NVIDIAのGeForceが秀でているような感じです。
AMD Radeonの特長
エントリーモデルやミドルモデルはAMDのRadeonがおすすめです。しかし、BTOのゲーミングパソコンでRadeonを搭載しているモデルが少ないため、こだわりがなければGeForceを選ぶことになりそうです。
AMDのマザーボードにAMDのCPUとGPUを搭載することにより、パフォーマンスを向上させることができます。また、GeForceに比べると、発色が少し良いという特長がありますが、好みの問題です。
OSとは
OSとはパソコンのシステムを管理し、さまざまなアプリやソフトウェアを動作させるためのソフトです。システムを管理するため、パソコンには必ずインストールされています。例えば、「Windows10」や「Windows11」、「macOS Moterey」などです。パソコンにインストールするアプリやソフトウェアはOSで動作させるため、パソコンにインストールされているOSに対応されていなければ、アプリやソフトウェアは動作しません。
多くのゲームはWindowsに対応しているため、Apple社のOSがインストールされているMacでゲームができないことが多いです。ゲーミングパソコンとして使うパソコンのOSはWindowsがおすすめです。
また、OSはソフトウェアであるため、SSDやハードディスクに保存しますが、パソコンの起動を早くしたい場合、SSDへのインストールがおすすめです。
fpsとは
スペックでいうところのfpsとはフレームレートのことで、「1秒の動画で表示される画像の枚数」を表します。「60fps」「120fps」などと表示され、数字が大きければ大きいほど、カクつきが少なく、滑らかな動画をディスプレイに映します。
同じようなスペック項目でリフレッシュレートというものがありますが、「1秒間に画像を書き換える回数」を表します。リフレッシュレートはディスプレイのスペックとして表記されており、「60Hz」や「120Hz」などと表記されています。こちらも数字が大きければ大きいほど、カクつきが少なく滑らかに動画を映します。
フレームレートは出力するパソコン側の数値で、リフレッシュレートはディスプレイ側の数値です。ディスプレイのリフレッシュレートが高くても、パソコン側のフレームレイトが低いとパソコン側の性能、すなわちパソコンのGPUやCPUに依存した映像が出力されます。
高性能なデバイスを使っても、パソコンのCPUやGPUに依存するため、ゲーミングパソコンはCPUとGPUの性能が重要です。
また、ゲームジャンルに「FPS」がありますが意味が違います。
フレームレートのおすすめ
フレームレートはグラフィックボードやCPUの性能が影響しますが、ゲーミングパソコンとしては、フレームレートとリフレッシュレート共に「144fps」「144Hz」以上がおすすめです。
グラフィックボードの性能はもちろん、ディスプレイもリフレッシュレート144H以上のゲーミングディスプレイを使いましょう。
ゲーミングPCで使うディスプレイメーカー
ゲーミングディスプレイのメーカーは多くありますが、特におすすめなメーカーはBenQやASUSです。BenQやASUSはさまざまな種類のゲーミングディスプレイを販売しており、コスパの良いモデルからハイパフォーマンスモデルまで幅広く種類があります。
ゲーミングモニターについての基本的な解説とおすすめの紹介を下記記事に記載しているので確認してください。
CPU、GPU、OS、fpsについてよくある質問
それぞれの基本的な内容は上記で確認できますが、さらに他の方が気になっている内容について解説します。
CPUとGPUどっちが大事?
ゲーミングパソコンはCPUとGPUの両方が大切です。CPUのスペックが低いとGPUのスペックが高くてもCPUのスペックに依存し、GPUのスペックが低いと映像処理能力が単純に落ちます。そのため、CPUとGPUはどちらも大切です。
また、CPUのスペックが低いことにより、GPUの本来の能力が発揮できないような状態をボトルネックということもあります。
CPUが高性能だとどうなる?
パソコンのさまざまな動作が快適になります。逆にCPUの性能が低いと、全ての動作が遅くなります。CPUのスペックはパソコンの動作全体に影響をするため、妥協ができません。
OSがないとどうなる?
パソコンにOSがインストールされていなければ、パソコンのシステム制御やソフトウェア、アプリを起動できないため、何もできません。
fpsの人間の限界は?
人間が違いを感じ取ることができるfpsの最大値は240fpsと言われています。そのため、それ以上のスペックは違いを判断することが難しいとされています。
まとめ
今回はゲーミングパソコン頻出するキーワードである「CPU」「GPU」「OS」「fps」について解説しました。言葉の意味をこの記事で理解して、パソコン選びに活用してもらえたらと思います。全ての内容を一度に理解することは難しいので、何回かこの記事を読んだり、パソコン選びのときに復習したりしながら活用してください。
途中で紹介したWEBサイトでは、おすすめの商品も紹介しているため、是非活用してください。そのWEBサイトを参考にすれば、買って後悔しないゲーミングパソコンやデバイスを選べます。