ネット回線知識

インターネット回線講座③|よく聞く言葉パケロスとは?Ping値とは?

ネット回線基礎知識3

インターネット回線講座3回目として、オンラインゲームプレイ時やインターネット利用時によく聞く言葉「パケロス」「Ping値」について解説します。

「パケロス」「Ping値」という言葉は、インターネット回線の通信速度が遅いと感じるときに使われることが多いです。そのため、この2つの言葉は、ネット回線の通信速度に関係する言葉もしくは値のことです。

この記事を読んで、意味を知ることにより、通信速度が遅い原因をイメージでき、落ち着いて対応できます。

通信速度が安定しないとゲームプレイに影響が出るため、ストレスに感じることが多いですが、原因がイメージできればある程度落ち着くことができます。

この記事を読むメリット
・パケロス、Ping値の意味を理解できる
・回線速度が遅くなる時にの原因が理解できる

パケットロス(パケロス)とは|ゲームプレイ時の影響

ネットワークを介してデータを送信しているときに、データの一部が消失もしくは破損することです。その結果、ゲームプレイ時ではラグが発生し、キャラクターがスムーズに動かなくなったり、映像が乱れたりします。

パケロスとはネットワークを介してデータの一部が破損

ネットワークを介してデータを送信する際、データをできるだけ早く送信するために、送るデータを細かく分割してヘッダという説明書のようなものと一緒に送信します。送信先にデータが届いたら、ヘッダを参考に細かく分割されたパケットを再構築してデータを受け取ります。このような流れの途中で何かの影響により、データが消失もしくは破損してパケロスが発生します。

ゲームプレイ中は大量のデータを送受信するため、パケロスにより映像が乱れたり、動きがスムーズでなくなることは珍しくありません。

・データ送信時に一部が消失もしくは破損することをパケロスという
・ゲームプレイ時のラグや映像の乱れはパケロスによる影響

パケットロスの原因

パケロスの原因はさまざまありますが、よくある原因を紹介します。原因を知っていたら対策ができたり、気持ち的に楽になったりするので参考にしてください。

・通信回線の混雑
・ソフトウェアの影響
・設定ミス
・ルーターなどの端末の問題
・サイバー攻撃

それぞれの内容について解説します。

通信回線の混雑

最も多い原因として、通信回線が混雑していることによるものがあります。

オンラインでゲームプレイする場合、多くのデータを送受信するため、データ量が多いことによりルーターに大きな負荷がかかり、ネットワーク回線の混雑が発生することがあります。

インターネット回線の利用状況によってもパケロスが発生します。プロバイダーやネット回線を利用する時間帯によって、通信回線が混雑することによりパケロスが発生します。

ゲームソフトウェアの影響

データ受信側のゲームソフトウェアによる不具合でもパケロスは発生します。例えば、APEXをプレイしているとき、プレイヤー側やネットワークは正常であっても、APEXのソフトウェア側に障害が発生していると、パケットの損失や破損が生じてパケロスが発生します。

多くのゲームタイトルでそのようなことが起きる可能性があり、大きなシステム化で多くのユーザーがゲームプレイしているため、時折そのような事態が起こります。

端末の問題

ルーターやハブなどのネットワーク端末の設定ミスによりパケロスすることもあります。正しい方法でデータ伝送がおこなわないと、パケロスするため、ルーターやハブなどのネットワーク端末を交換した場合は、設定内容を確認してください。

ルーターやハブなどのネットワーク端末が故障している場合も、パケロスが発生します。使用しているルーターやハブが極端に古い状態で、パケロスしていると感じるときは、ルーターやハブの交換を検討しください。

サイバー攻撃

意図的にWEBサーバーやWEBサイトへ過剰にデータを送付したり、アクセスしたりするDDoS攻撃によるサイバー攻撃により、パケロスが発生することがあります。

海外のゲームサーバーを利用していると、特定の国のプレイヤーに対してDDoS攻撃によるサイバー攻撃がおこなわれることがあります。ストリーマーによる配信などで、ときどきDDoS攻撃により正常にゲームをプレイできないという状況を見ます。

パケットロスの確認方法

OSがWindowsであれば「コマンドプロンプト」でパケロスの発生状況を確認できます。

1.「Windowsキー」を押し、「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを起動
2.「ping-n 50 www.cloudflare.com」と入力。「http://www.cloudflare.com」にデータを50回送信
3.表示された結果の「LOST」もしくは「消失」が0であれば、パケット損失は起こっていない

インテル公式サイト引用コマンドプロンプトによりパケロス確認
引用:Intel公式サイト

Ping値とは

Ping値(ピングち、ピンち)とはデータを送信して受信するまでのタイムラグを表す値です。数字が小さければ小さいほど反応速度が速いことを表し、快適にゲームやインターネットを楽しめます。

例えば、VALORANTのようなFPSでは、エイムをヘッドラインに固定し、敵が現れたら左クリックを押して射撃します。左クリックを押したというデータをネットワークを介してVALORANTのサーバーへ送り、射撃の結果をネットワークを介してディスプレイに映します。左クリックを押してから、ディスプレイに映し出すまでの時間がPing値です。

Ping値が高ければ反応速度が遅くなるため、左クリックから射撃の結果がディスプレイに映し出すまでに時間がかかるということです。

想像しただけでもPing値が高いと、楽しくゲームができないということがわかると思います。

Ping値と回線速度の関係と単位

Ping値と回線速度は反比例の関係にあり、回線速度が速ければ速いほどPing値は低くなります。また、パケロスが発生すると、データを正常に伝送できないため、Ping値は高くなります。

Ping値は反応時間を表しているため「ms」、回線速度は伝送速度を表しているため「bps」という単位を使用します。パソコンのスペックやネットワークなどで頻出する数値については単位を見るとすんなりと理解できることがあります。

ゲームプレイにおける理想のPing値

ゲームプレイにおける理想のPing値は15ms以下です。MMOやシミュレーションゲームなどで反応速度を必要としていないゲームであれば、あまりPing値を気にする必要はありませんが、VALORANTやAPEXなどのようなFPSをプレイする場合はPing値は15ms以下が理想です。

標準的なPing値は30ms〜50msです。

Ping値確認方法

オンラインでゲームをしている時に動きがスムーズでなかったり、反応が悪いなと思う場合はPing値の確認をおこなってください。

Ping値の確認はGoogleの「インターネット速度テスト」などのツールを活用して確認できます。

Ping値を下げる方法

高いPing値を瞬時に下げることは難しいですが、慢性的に高いPing値を下げるための方法はいくつかあるので紹介します。しかし、Ping値は使用しているプロバイダーやソフトウェアでも変わってくるため、自分でできる対策ということで紹介します。

・固定回線の利用
・有線接続
・LANケーブルの交換
・ルーターやハブの交換

固定回線の利用

ポケットWi-Fiやテザリングでインターネットを利用している場合、Ping値は高くなります。固定回線の方が回線速度が安定して速いため、Ping値を下げられます。

ポケットWi-Fiやテザリング、工事不要のホームルーターでもゲームをプレイできることはありますが、快適にはプレイできません。そのため、ゲーム用の回線は固定回線がおすすめです。

最近では工事不要のインターネット回線は多く存在していますが、ゲーム回線として使えるのかを解説した記事があるので参考にしてください。

有線接続

無線LANルーターを利用したWi-Fiでのインターネット接続では、有線接続に比べてPing値が高いです。家族でインターネットに接続する場合、無線LANルーターを利用し、Wi-Fiを飛ばしてそれぞれの端末でインターネットを利用する環境を作ることが多いです。しかし、ゲームをおこなう端末への接続は、有線LANを使用することをおすすめします。

無線LANルーターでも有線接続できるモデルは多いため、Wi-Fiと有線接続を併用してください。

LANケーブルの交換

ルーターもしくは終端装置(光回線を引き込んでパソコンへ接続するための端末)とゲーミングパソコンを接続しているLANケーブルが古いモデルであったり、劣化していると、Ping値が高くなります。

LANケーブルは対応できる通信速度が決まっています。ゲームをプレイするためにインターネットへ接続する場合は、1Gbps対応のLANケーブルを使用してください。また、「カテゴリー」というLANケーブルの規格がありますが、通信速度1Gbpsに対応したカテゴリー6以上のものがおすすめです。

ルーターやハブの交換

ルーターやハブが古い場合、Ping値が高くなることがあります。ネットワークを介してデータを送受信すると、その間の障害が通信速度に影響します。そのため、使用しているルーターやハブが極端に古くて動作状況に問題がある場合は、Ping値が高くなるため新しいものに交換してください。

Ping値とレイテンシの違い

Ping値とレイテンシは厳密には違いますが、基本的には同じような用途で使われることが多いため、同じような意味であると理解していいです。

具体的なイメージで例えると、Ping値はインターネットを介してデータを送信し、相手が反応してデータを返してデータが戻ってくるまでの時間です。

一方レイテンシは、インターネットを介してデータを送信し、相手がデータを受け取るまでの時間です。つまり、Ping値はデータが往復する時間で、レイテンシはデータが相手に渡るまでの片道の時間です。しかし、基本的には同じような意味という解釈で問題ありません。

まとめ

今回はオンラインゲーム時やインターネット利用時に頻出する言葉である、「パケロス」「Ping値」について解説しました。言葉の意味をなんとなくのイメージでも知っておくことにより、原因を考え、自分で対策をとることができます。

パケロスとPing値という言葉を使うときは、ネット回線の不具合を感じるときであることが多いです。そのため、この記事で解説したような内容を参考に、万が一のトラブル時も落ち着いて対応してください。

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