暗号資産の運用で必ず目にすることになるブロックチェーンというワードですが、ブロックチェーンは暗号資産を安全に運用するために必要な重要なシステムです。
ブロックチェーンについて知っておくことにより、暗号資産の運用についてより深く考えることができます。 WEB3.0という時代では、知っておく必要のあるシステムですので、ぜひ最後まで読んでください。
この記事を読むメリット
・ブロックチェーン技術について知ることができる
・ブロックチェーン技術のメリットや課題を知ることができる
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとはデータを分散管理する技術で、取引履歴を効率よく、安全に行うために開発された技術です。暗号資産であるビットコインの取引台帳として考案された技術で、ネット接続された複数の端末を使い、正しい記録をチェーン上に繋いで蓄積することから「ブロックチェーン」という名称がつけられました。
分散管理による運営
ブロックチェーン技術は、対等な立場のnode(ノード)と呼ばれる参加者の端末がユーザーと運営側の両方の役割を担い、分散してシステム管理をおこなっています。ネットワーク内の全てのnodeが同じ情報をコピーして共有し、全体のシステムを稼働させています。
そのため1台の端末で障害が発生したとしても、システム全体が稼働しなくなるということがなくなり、ネットワークへの影響を少なくできます。ネットワークの規模すなわちnodeの数が増えれば増えるほど障害に強くなります。
ブロックチェーン技術はこのような分散管理であることが特徴で、暗号資産などで利用されており、ユーザーの数が多ければ多いほど信頼性が担保され安全であると言えます。
不正が行われることはほとんどない
ブロックチェーンは過去の取引履歴などの情報の繋がりにより管理されています。そのため、一つのデータを書き換えたとしても過去の取引データと異なるデータや他の端末でコピーされたデータなどと一致しなければ整合性が保たれないため、不正を行えません。 過去のデータとの整合性を保つために「ハッシュ関数」という値が、取引状況が保存されるたびに計算されます。ビットコインの場合は10分間に1回取引履歴が更新されています。
また、ブロックチェーンの計算能力を上回る、すなわち「51%攻撃」と言われる攻撃を悪意のある方がおこなった場合、ブロックチェーン上で不正をおこなうことが可能ですが、その場合は通常通りに取引をした方が費用がかかりません。そのため、誰もそのような不正は行わないという考えです。
暗号資産から見たブロックチェーン
暗号資産として代表的なものは仮想通貨のビットコインです。
2009年からビットコインの運用が開始され、ブロックチェーン技術で取引履歴が記録される動きが表れました。世界中の誰でもネットワーク上で取引でき、少額の手数料で24時間365日取引可能です。 取引するための口座はとても簡単に開設でき、スマートフォンやパソコンでインターネットに接続できれば誰ても取引できます。
日本では投資もしくは投機のイメージの強い仮想通貨ですが、安全性が担保されており、簡単に取引できるメリットから暗号資産を利用している方も少なくありません。 例えば、金融インフラが未発達の国で銀行口座を持たない人や、個人のプライバシーや安全性を重視する人などが好んで運用しています。
ビットコインなどの暗号資産は、分散管理であるため、国家や政府に頼らないシステムに利用価値を見出している方も多くいます。
ブロックチェーンの種類|具体例あり
ブロックチェーンには大きく分けて3種類あります。
ブロックチェーンの種類
- パブリックチェーン
- プライベートチェーン
- コンソーシアムチェーン
それぞれの特徴について解説します。
パブリックチェーン
パブリックチェーンは管理者が存在しない誰でも参加できるというブロックチェーンの代表的なもので、イーサリアムやビットコインで採用されているブロックチェーンで、非中央主権的なチェーンです。
取引内容は全て公開されており、全体で合意を得て取引を記録します。そのため、過半数の参加者が善人であれば、正常にネットワークが管理されます。
プライベートチェーン
プライベートチェーンは単独管理者がおり、承認されたnodeのみ参加可能です。そのため、参加者の総数を簡単に把握できます。
プライベートチェーンに記録を記載する場合、管理者の承認が必要であるため、悪意のあるユーザーからのアクセスを防ぐことができます。しかし、パブリックチェーンのように、継続的に運用したり、ネットワークの分断に強くありません。
コンソーシアムチェーン
コンソーシアムチェーンは複数の管理者で管理されているチェーンです。プライベートチェーンの管理者が増えたかたちであると言えます。そのため、チェーンに参加するためには複数の管理者の合意が必要です。 そのほかの仕様はプライベートチェーンと似たようなシステムです。
ハッシュ関数はブロックチェーン技術で欠かせない
ハッシュ関数は、入力データを計算し、入力された数の個数でない値を導き出す計算方法のことで、導き出された数値や文字列のことをハッシュ値と言います。ブロックチェーンのセキィリティ性を高めてる要素の根幹であると言えるため、ブロックチェーン技術では欠かせないものです。
ハッシュ関数には4つの特徴があります。
ハッシュ関数の特徴
- 入力値によって決まったハッシュ値が出力される
- ハッシュ値から入力値を求められない
- 数値や文字が少しでも異なると、全く異なるハッシュ値となる
- ハッシュ値が他の入力データのハッシュ値と一致することがあるが、天文学的な確率でほぼ起こり得ない
ハッシュ関数はブロックチェーンだけでなく、インターネット上のさまざまなケースで利用されています。例えば、特定のWEBページへログインするときに、パスワードをハッシュ値にして保存しています。パスワードをハッシュ値で保存することにより、パスワードの漏洩を防ぎます。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンの特徴からメリットがわかる方も多いと思いますが、改めてメリットを解説します。
ブロックチェーンのメリット
- スマート・コントラクトによって自動化
- 強力なセキュリティー
- 高い透明性
- 即時の追跡可能性
- 高い効率性とスピード
それぞれの内容について解説します。
スマートコントラクトによって自動化可能
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上であらかじめ決められらルールに従って、契約を自動でおこなう仕組みです。 イーサリアムを管理するブロックチェーンではスマートコントラクトを活用されており、即時に売買可能な環境が整っています。
セキュリティ性能が高いブロックチェーンとスマートコントラクトを非常に相性がいいと言えます。
強力なセキュリティ
ブロックチェーンは分散管理やハッシュ関数の利用などでセキュリティ性能が高いという大きなメリットがあります。強力なセキュリティを打破することも可能ですが、それほどの環境を整える場合、一般ユーザーとしてブロックチェーンに参加した方が得であるという優位性を保っています。
高い透明性
パブリックチェーンは参加者の端末で管理するため、誰でも取引履歴をいつでも確認できます。また、取引記録で不正が行われた場合、その他のnodeで合意を得られないため取引不可能となります。
ブロックチェーンの課題
ブロックチェーンはセキュリティ性能の高さや透明性が注目されていますが、課題であることもいくつか存在します。
ブロックチェーンの課題
- ブロックチェーン上に一度記載された記録は書き換えできない
- 秘匿性の高いデータ管理では無駄なリスクをうむ可能性がある
- 認知度がまだまだ低い
ブロックチェーン上に記載された記録は、基本的に訂正ができないため、データの更新や訂正の頻度が多い場合にはブロックチェーンはあまり向いてないと言えます。
ブロックチェーンは分散管理によるメリットが大きいため、多くのユーザーに知られたくないデータを管理することには向いていません。暗号化したデータをパブリックチェーンによって管理したとしても、分散管理により無駄にリスクを生む恐れがあります。 セキュリティや透明性の高さからブロックチェーン上でシステム管理をおこなうことが注目されますが、現状では向き不向きがあります。
そしてブロックチェーンの最も大きな課題は、認知度が低いことです。暗号資産の売買などでユーザーとしてブロックチェーンを利用する場合は、全く問題ありませんが、開発コンテンツにブロックチェーンを導入したり法律の観点から見た場合、認知度が低いことが弊害となります。
ブロックチェーンは暗号資産の売買などで注目を集めていますが、課題もあるということを知っておく必要があります。
ブロッックチェーンについてよくある質問
ブロックチェーンについて調べている方がよく考える質問について解説します。
ブロックチェーンって何がすごいの?
ブロックチェーンは多くの参加者(node)でデータを分散管理することにより、セキュリティ面や透明性が担保されていることがすごいと言えます。管理者がいないブロックチェーンでは、データのやり取り(暗号資産の売買など)が即時に行われることもすごいと言われるポイントです。
ブロックチェーンはなぜ改ざんできないの?
ハッシュ関数による計算がおこなわれるため、改ざんはできません。 もしもブロックチェーン上のデータが改ざんしようとした場合、ハッシュ値が異なる結果が生じるため、ブロックの連なりを途切れさせることなり、改ざんが行えません。
前述していますが、ハッシュ関数は入力データが少しでも違うと全く異なる値となります。また、ランダムでハッシュ値を一致させようと思っても天文学的な確率であるため不可能と言えます。
まとめ
この記事ではブロックチェーンについて解説をしました。 ブロックチェーンは暗号資産の運用をおこなう場合に理解しておいた方がいい内容です。これからNFTや仮想通貨などの運用をおこなう場合は、大まかにでいいのでブロックチェーンについて理解するようにしてください。 ブロックチェーン技術については、これから発展していく技術であるため、今後の発展にも注目しましょう。